東京島(とうきょうじま) 桐野夏生
この映画を見たきっかけは、本屋さんでお薦めコーナーにあった小説を手に取ったのがきっかけです。
世界一周クルーズの旅行中、夫・隆と妻・清子が暴風雨にあい、孤島に流れついたことから始まるストーリー。
清子と隆夫婦が流れ着いた後、日本の若者や中国人なども様々な理由で流れ着くのですが、全員男性なんです。
清子はもう世間で言う年増な女性なのですが、島で唯一の女性。
揉め事の中心になる恐れがあるのに、殺すのを躊躇わせるか弱き存在となりました。
夫の隆が無人島生活の中で謎の死を迎える頃には、清子の存在が島を支配するようになるのが面白いです。
やはり男性の力がいくら強かろうと、それをこの世に産み落とすのは女性ですからね。
女性の男性を包み込む力、そして男性陣を狂わせる力は恐るべしです(笑)
主人と観たのですが、「男なんて力だけで、結局女の手のひらで転がされているだけやなぁ」と言っていました。
まるで、アダムとイブから始まる創世記を見ているような、そんな映画です。