感想・書評「漁港の肉子ちゃん」ネタバレ注意・アメトーク読書芸人、又吉さんが推薦していた（レビュー）。 #読書

漁港の肉子ちゃん：今話題の魂に訴える本（西加奈子）

バラエティ番組、アメトークで放送された読書芸人。その回で又吉さんが進めていたのが「漁港の肉子ちゃん」という本でした。西加奈子さんの書く文章は、若いうちに呼んでおきたい言葉、表現がたくさん詰まっています。西加奈子さんの本を読んで、生きる希望を見付けたという人も多いのではないでしょうか。
漁港の肉子ちゃんも、まさに生きていくための希望を見いだせるような物語となっています。物語は肉子ちゃんの娘、キクりんの語りで進んで行きます。母親の事を肉子ちゃんと呼ぶのは、母親も自分も名前が同じキクコだから。肉子ちゃんは、娘の事をキクりんと呼んでいます。漁港にある焼肉屋で働く肉子ちゃん。肉子ちゃんと似ていない、可愛いと評判の小学生のキクりん。親子の周りで起きた出来事の物語です。
キクりんは、小学生。目立つ訳ではありませんが、美しい容姿の持ち主。肉子ちゃんと共に何度か転向を繰り返していますが、いじめられないのは容姿のおかげと、自分で分析している程。小学生の頃、だれもが小学校が自分の世界だと思っていませんでしたか。小学校で起こる事が、自分のすべてだと思っていませんでしたか。女子特有の仲間意識、上下関係、そしていじめ、淡い恋心。何だか心の奥をつねられたような気分になります。
肉子ちゃんは、男にだまされて借金を背負った経験が。それでも常に明るく、前向きに生きています。そんな肉子ちゃんを見ながら、キクりんももっと前向きに生きていこうと思うのです。キクりんとともに、読者も前向きになっていけると思います。