感想・書評「新版地球進化論：松井孝典」ネタバレ注意・本書のもとはセミナーでの講演ですので、幅広い人に理解できるような構成・内容になっています（レビュー）。 #読書

『新版地球進化論』（松井孝典）：地球の起源と進化を辿る意欲的な1冊

神秘の星とも軌跡の星とも言われる惑星・地球。しかし、地球がどのように誕生したのかであったり、地球は本当に宇宙単位で希少な星なのかなど、まだまだ明らかになっていない部分が少なくありません。本書は地球がどのような特徴を持つ星なのか、どのように生まれた星なのかを通時的かつ科学的に紹介していきます。

地球科学と聞くと敬遠してしまう人もいると思いますが、本書のもとはセミナーでの講演ですので、幅広い人に理解できるような構成・内容になっています。また、図表や写真なども豊富に盛り込まれており、視覚的にも筆者の言いたいことを把握できるような工夫が施されています。本書を紐解いていくうちに、地球は奇跡の星だけれども、宇宙規模では決して珍しくない星の可能性があることが分かっていきます。思わず宇宙の規模の大きさとそこで生きる小さな私の存在に思いを馳せてしまいました。私たちが生きる地球そのものを見直してみたい・知りたい方は手に取って損はない1冊です。