ドラマ相棒13 第7話「死命」12月3日P.M.9時放送の感想
今回の相棒は、冒頭で、甲斐享が追いかけて行った男が屋上から飛び降りて死んでしまうというシーンで始まり、まさか本当に飛び降りると思わなかったので、見ていて衝撃でした。そのあと、甲斐享が「刑事を辞める」と言い出すところは、よくある流れというか、少し短絡的すぎると思いますが、実際それくらいの責任を感じておかしくない事件だと思います。そうは言いつつも、お墓参りで一人の女性(美波)に出会って事件を探り始めていました。そして途中、閉じ込められた甲斐享を助けに来た右京さんのセリフ「たった一人の相棒が手伝ってくれないものですからねぇ」というのがとても印象に残りました。
甲斐享へのあたたかい励ましの言葉をさりげなくかけているなあと思います。
今回のメインテーマは、「ビッグママ」という、行き場のない若者を集めて世話をする表向きはやさしいお母さん、でもその裏では、というどこかニュースで聞いたような話でした。弱っている人の心の隙につけこむなんて最低の行為ですね。そのビッグママもまた、詐欺被害者の一人だったという話でしたが、自分がされて嫌だったから他の人にもするという、これまた典型パターンです。それは逆だろ、と突っ込みたくなります。
ビッグママが捕まって、一旦終わりのような流れになりましたが、最後に、飛び降りた男の真実が明かされました。女の子を自分の子供だと思って、治療費のために自ら毒を飲み続けるなんて。でも親が子供を思う気持ちって、自分が犠牲になってでも守りたいというくらい強いものがあるんだと思います。とはいえ、もし彼が死んでしまったら、仮に女の子が本当の娘だったとして、それを知ったら喜べるでしょうか。彼は、同じ命なのに、人を殺すことには躊躇しても、自分で死ぬことは自分で許せたのでしょうか。更に、今回の話では、実の子でも何でもなかったという悲惨なオチがありました。
こんな風に、杉下右京の最後の言葉どおり、嘘と誤解だらけのお話でしたが、最後の最後にカフェの店員として出てくる女性、髪型を変えていて、最初だれかわかりませんでしたが、彼女は、行き場がなくてビッグママのいいなりになっていた女性、美波でした。カフェを出したい、と明るく語る美波。人ってそんなに早く、コロッとは変われないでしょうとは思いつつも、やっぱり最後に明るいシーンがあるとほっこりした気持ちになります。今回の相棒を見て、ハーブティーが飲みたくなってきました。大丈夫です、毒は入っていません(笑)。