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感想・書評「怪談新耳袋」ネタバレ注意・実体験でつづられる怪異の世界は、多くの視点をもたらしてくれる(レビュー)。 #読書


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実体験でつづられる怪異の世界は、多くの視点をもたらしてくれる「怪談新耳袋」

単行本から文庫化され、現在は角川文庫から出版されている「怪談新耳袋」シリーズ。
筆者の方が実際に取材した様々な怪談は決して怖いというだけではない様々な側面を読者に魅せてくれます。
もちろん、怪談の最大の魅力は怖さですから、それは当然如く保証済みです。ただし、その他の創作的な怪談との差は、やはり体験者が死亡しない点でしょう。体験者が生きているという事は、それだけでも読者の住んでいる環境でも十分起こり得る話である事を示しています。
そして、膨大な話の中で時折挟まれる「それでも取材後に体験者が亡くなられた話」「何の前触れもなく日常生活に現れた話」には格段の恐怖も盛り込まれます。
一方、怪談とは恐怖だけではない側面も教えてくれます。田舎を中心に昔からの土地に住む狐狸妖怪は、それを伝承する体験者がいなければその存在が消えてしまうとも言われています。新耳袋はそんな狐狸妖怪の存続にも一役買っています。
また、怖さが前面に出る話と対等に渡り歩くように、不思議な力に「守られた」話も収録されています。それもまた、怪談とは恐怖や敵意を向けるだけでなく、それまでの生の中で繋がった縁が守ってくれる事も教えてくれるのです。
そんな不思議なこの現世の出来事を綴った「怪談新耳袋」シリーズ、是非お試しください。

ありがとう寄稿。

ずっと見てきた花燃ゆ。「奥」での美和の活躍が顕著になってきて、戦のシーンも減ってずいぶん安心して観られるようになってきた。

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