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感想・書評「世界は分けてもわからない:福岡伸一」ネタバレ注意・生物学者の刺激的なエッセイ(レビュー)。 #読書


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『世界は分けてもわからない』(福岡伸一):生物学者の刺激的なエッセイ

本書は『生物と無生物のあいだ』で人気を博した福岡伸一のエッセイです。著者自身の体験と生物学の知識を豊富に織り込んだエッセイは知的な面白さに溢れています。特に生物学の現象を具体例を挙げて分かりやすく説明している部分は著者の面目躍如と言ったところでしょう。

個人的にはコーネル大学で起こったスペクター事件に関するエッセイが最も衝撃的でした。読みはじめは偉大な天才だと思っていたのに、現実的には捏造を繰り返した確信犯だったのです。このスペクター事件のエッセイでは、予想される結果を期待する科学者と予想される結果が出せないことに焦る研究員との緊張関係と、その緊張関係が引き起こした恐ろしいまでの捏造事件を生々しく描いています。研究の世界がいかに厳しく辛いものか、そして私たちはそのような世界を無関係な世界として切り捨てているのではないか?「世界は分けてもわからない」というタイトルはとても深く広い言葉だと思います。