日本国内で38年ぶりに確認されたカワウソは、江戸時代からの生き残りなのか?!
日本国内のカワウソは38年前に撮影されて以来、生きた姿は確認されていませんでした。ところが、今年の2月に、長崎県対馬市において、自動撮影カメラで撮影されたようです。
旧来、日本に生息していたカワウソは「ニホンカワウソ」で、終戦直後くらいまでは日本全国で生息していましたが、5年前に環境省が絶滅種に指定しています。
一方、中国や韓国には今でも「ユーラシアカワウソ」が生息していて、生物学的にはニホンカワウソはユーラシアカワウソの亜種とされています。
今回カワウソが発見された対馬では、江戸時代の文献にはカワウソの記述があり、昭和初期の目撃証言も残っているようなので、もしかしたら、自然の豊かな対馬で細々と生き残ってきたのかもしれません。
ところが、対馬は韓国の釜山から直線距離で50kmもないため、海流に乗ってユーラシアカワウソが漂着した、という可能性もあるようです。
今回撮影された付近で環境省がフンを採取して調べたところ、少なくとも2匹の個体が生存していて、DNA分析の結果1匹はユーラシアカワウソであることが判明しました。このため、韓国から漂着した個体か?、と早とちりしてしまいそうですが、そもそも対馬の場合は江戸時代のカワウソがニホンカワウソだったという確証が得られておらず、もしかしたら、ユーラシアカワウソが江戸時代から生存していたのかもしれないのだそうです。
はたして、江戸時代からの生き残りなのか、はたまた、はるばる韓国から泳いできたものなのか、今後の調査が待ち遠しいですね。