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レオパレス問題と特殊詐欺との似ている部分。「多数の管理物件において違法建築を行っていたことが波紋」 #気になるニュース2019年


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賃貸住宅大手の株式会社レオパレス21(以下「レ社」とする)が多数の管理物件において違法建築を行っていたことが波紋を呼んでいるが、同業他社が類似事例を発表・謝罪する事態も発生していてまだまだ建築に関する世間への影響は続くかも知れない。

さて、レ社は自社の土地に家屋を建築・賃貸する商法ではなく、地主にアパートを建ててもらいそれをレ社が借り受けて賃料の一部分を地主に支払う仕組みをとっている。レ社からの地主への支払いは空室が有っても一定としておりそれが長期間継続する『30年保証』でPRしているが、そのまま読めば地主としては有効的土地活用になると思っても仕方ない。

レ社が大きくクローズアップされたシーンとしてはいわゆるリーマンショック後のことが外せない。国内外の経済が悪影響を被ったがレ社もそうであった。

法人が社宅の代わりとしてレ社の管理物件を利用することはレ社の重要な賃貸収入源の一つであることは現在でも変わりはない。リーマンショック発生後、派遣社員を雇わなくなった企業が増えた為にレ社管理物件の入居者も減少した。つまりは賃貸収入が減ったことになる。これに伴いレ社はこのままでは企業としての存続が危ういと考えた。賃貸収入が落ちても地主への支払いは落とせないからだ。

しかし、実はレ社と地主との契約には、地主への支払額を変動させることができたり、契約を打ち切ることもできるといった内容が存在していた。

レ社はそれを根拠に古い物件の契約打ち切りや、契約中物件の家賃値下げを地主に対して交渉することにした。これにより入居を考えているユーザーから人気の高くないであろう古い物件を減らしたり、契約は存続させても家賃を下げるといったことを幾つか実現するに至っている。

そして、このたびの違法建築問題が発生したが、これによる企業イメージの悪化が大きかったのか最近のレ社発表による2019年3月の84.33%という入居率は前年同月を9.4ポイント近く減少した数値であった。

つまりは現在のレ社の賃貸収入は最高水準ではないことがうかがえるのだが、イメージ悪化による入居率低迷は易々と改善しないであろうし、違法建築に対する補修工事やこれに伴い該当物件入居者の転居費用もレ社の負担となることは多くの報道からも既知事実であり、レ社の今後の経営状況を危ぶむ声は多い。

これから考えられることはリーマンショックの時の契約打ち切りや家賃値下げの交渉をレ社が再び行うだろうということだ。それによって二度目の家賃値下げを迫られる地主もいるだろうし、ひょっとするとレ社から契約を切られる地主も出てくるかもしれない。

今回の違法建築はリーマンショックとは違って完全にレ社に責任がある。かと言って、レ社が倒産してしまっては地主は人生設計の地盤ともいえる家賃収入を失ってしまうのだ。したがって家賃値下げ交渉を受けた地主の中には不本意ながらもこれに応じる者が相当数いることは予想に難くない。

さて、世間での良くないニュースとして特殊詐欺がある。「オレオレ」から始まり最近では「アポ電詐欺(一部にはアポ電強盗)」も発生するなど一向に撲滅する気配が見えない。

これだけ実例が多く報道されているにもかかわらず被害が続く原因の一つとして、俗に「情弱(情報弱者)」と呼ばれるこういった世間の状況を取り入れることができない(あるいは、しようとしない)人がまだまだ多いことが挙げられるだろう。こういった人たちには「自分にそんなことが起きることはない」という安易な発想があったり、警戒心が低いことが傾向としてある。

この特殊詐欺とレ社の問題とは似ていると思う。

『30年保証』というPRに自分の老後を安定させられるとか、子孫に遺せるものがあるとかと単純に喜んでしまい、詳細を理解しないままで契約を締結する地主が多かったはずだ。そして、経済状況の悪化のみならず契約の相手方の不祥事によりその契約は当初のものより自分側に不利な内容に変えられてしまう。これに異議を唱えたくも実は変更は可能とする条項があり、ハンコを押したからにはそれを自分は認めていたことが契約結果となるのだ。

ATM操作で還付金を受け取れるとか、会社に迷惑をかけてその補填に困っている家族を助ける為とか、一旦立ち止まって考えれば防げる被害なのにその話に安易に乗ってしまう特殊詐欺の被害者たち。

「うまい話には裏がある」という例えは古くから言われているのだが、契約の細かいところまで説明しない者や、夢のような話だったり人助けを急かせる話だったりを持ちかける者を相手にする時は厳しい目を持たなくてはならない。

そして、こんな時にこそ相談できる信頼を置ける人を持つべきである。自分の土地だから、あるいは自分の金だから、判断は自分がすればいい。こういうことが誤りを招いてしまう。子孫に遺したい金や土地ならば一層の慎重さが必要だ。

しかしながら、先にも述べているが特殊詐欺が依然として無くならないということは、レ社問題のような契約を細かく確認せずに後になって悔やんでしまうという案件もやはり無くなるのは困難なのだろう。