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感想・書評「麻布中学と江原素六:川又一英」ネタバレ注意「日本で最も自由な学校」と評される校風はいったいどこから生まれたのか(レビュー)。 #読書


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『麻布中学と江原素六』(川又一英):名門男子校の原点は創立者にあり

今や東京の男子校御三家として押しも押されもしない名門校となった麻布中学。「日本で最も自由な学校」と評される校風はいったいどこから生まれたのか。その原点を麻布中学の創立者・江原素六に求め、彼の生涯を通じて麻布中学の原点を描いた1冊です。

貧しい武士の家に生まれ、両親の武士意識に縛られ満足に学問ができない環境にありながら、師匠に見出されて学問に打ち込むものの、明治維新によって時代は激変し、江原素六自身も貧困に喘ぐ武士を助けようとして膨大な借金を背負う始末。しかし、沼津中学校設立に関わったことで教育者・江原素六が開眼し、彼は〈官〉ではなく〈私〉の教育に人生を捧げていくのです。この〈官〉よりも〈私〉という考え方が麻布中学に受け継がれ、東大進学だけを目標としない麻布中学の校風が生まれたのです。江原素六はすでに歴史上の人物となりましたが、その理念は100年経った今でも確かに継承されています。私立名門校が常に高い評価を受けるのは時代が変わっても創立者の理念が丁寧に継承されるからだということがはっきり分かる1冊でした。

ありがとう寄稿。

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