鬱屈精神科医、占いにすがる 春日武彦(かすがたけひこ) 母子関係は普遍的なテーマなのか
精神科医の書いた本というと、いかに前向きに生きるかという理想を掲げた良くも悪くも健全とした内容が一般的ですが、この作者は毒舌で春日節とも呼ばれる独自のノリが賛否両論に分かれる作風が特徴です。この本では精神科医としての仕事をこなしつつ、執筆業も傍目から見れば順調に見える作者の意外な苦悩について描かれています。60代になった作者は日常に不条理を感じつつも薬ですっきりと気分が良くなるわけではないことがわかっていることや、他の精神科医に頼るには抵抗があるということから占いに足繁く通うようになります。
実際に占いの場で作者の母親の話題になった際、不覚にも嗚咽してしまったエピソードから始まり、本の内容は母との関係や小学校の頃の思い出へと進んでいきます。心理臨床の話題になると、母子関係について何かと取り上げられますが、たとえ精神科医として順調にやっていても母子関係について問題を抱えている場合には、人は誰しもそれについて向かい合う時期がやってくるものなのだと思いました。作者は母親を嫌悪しつつも痛々しいまでの深い愛情を持っている感じがこの本を読んでいて伝わります。本のタイトルは占いとなっていて所々に占いに行った時のエピソードが書かれていますが、占いについて分析しているわけではなく、占いを織り交ぜた作者の母子関係についてがこの本のメインです。60代になって両親とも亡くなっているのにまだ母を思い続けることがおかしなことではあるとわかっているものの、自分にはどうすることもできないというもどかしさが描かれていて、有名な精神科医であっても心の問題で行き着くところはやはり母子関係なのだろうかと考えさせられるものがありました。また、親がすでに亡くなってしまった場合に母子関係の問題は解決するのかということや、母子関係の解決がどこまで今後の人生に影響をあたえるのだろうかということについても考えさせられる作品でした。母子関係一点に問題が集約するなら簡単そうですが、母子関係を改善して上手くいっているケースはカウンセリングの本などで取り上げられているものの、身の回りには良いカウンセリングで上手くいっている人がそう多くはないようにも思えることが、この問題の難しさなのかとも思います。
ありがとう寄稿。
豊臣秀吉に気に入られた幸村、史実のほどは定かではありませんが、ドラマの中では秀吉に方々引っ張り回される姿が映し出されていました。それだけ優秀で目立つ存在だったという事でしょうか。
真田丸15回/ドラマ感想&あらすじ・豊臣秀吉に気に入られた幸村、史実のほどは定かではありません(ネタバレ注意)。 #DRAMA - ナカノちゃんねる