「スーパー新幹線」が日本を救う 藤井聡著 最近何かと話題になっている新幹線のことなので良かったです。
新幹線は東京から大阪などへの大都市間を結ぶ為に造られたものという印象の方もいらっしゃると思いますが、実際には、鹿児島・金沢・新庄・秋田・北海道といった地域に広がり、更に他の地方にも建設が進められ、且つ計画中の新幹線もあり、今は日本国内みんなのものになろうとしています。
これらの新幹線網の影響で色々な地方の経済が潤い、雇用も促進されています。建設中・計画中の新幹線については、本書では、リニア新幹線について東京ー大阪間のリニア運賃は1000円の差でしかないといったことや、今のリニア新幹線の建設では、大阪だけでなく名古屋も大打撃を受けることが書かれていたり、四国新幹線の整備プロジェクトについて書かれています。私は、こういったことが書かれているのは、非常に興味深いものと思いました。四国に新幹線を開通させるということについて、考えられないという方もいらっしゃると思いますが、瀬戸大橋は新幹線規格で建設されたものですし、大鳴門橋も新幹線を通せるように造られているので、決して実現できないことではないというところについては鉄道について関心を寄せている方であれば理解できることと思います。四国新幹線についての計画路線図では、岡山ー(瀬戸大橋経由)-高知間のものと和歌山ー(大鳴門橋経由)-高松ー松山ー(佐田岬経由)-大分県の図が描かれていましたが、実現すれば四国は勿論ですが、九州東海岸地方の活性化に繋がると思います。大阪から和歌山方面へは、北陸新幹線を大阪の関空連絡線にして利便性の向上を図ることで、関空の利便性も向上すると考えられますし、四国新幹線が大分県に達すれば、今迄九州は西海岸方面について人口が多く経済状況も東海岸よりも良かったものが変わってくるのではないかと考えられました。新幹線は、「日本復活」の最優良プロジェクトという箇所もありますが、国内に新幹線網を広げることにより、強い日本の復活がなされることが出来ると説いている面で、この本は将来の日本の在り方を考えさせる良書と私は思いました。