贖罪;湊かなえの代表作。登場人物が追い詰められていく
湊かなえさんの代表作のひとつである贖罪。四人の女性が代わる代わる登場し、自分の過去と、現在と、そしてこれから起こるであろう悲しい未来を予兆させてある人物への贖罪が続いていきます。登場する女性たちは、誰もが大人になるにつれて悲しい立場に追いやられていきます。
それが悲しくて、だけどこの先どうなるの?とどんどん読み進めてしまいます。それはやはり、湊かなえさんの書く文章がとても美しいからというのもあると思いました。湊かなえさんは一人称の文章を書くのが本当にうまいなぁといつも感動します。主人公たちは全員が過去にトラウマをかかえていました。それは共通するある出来事が原因でした。語る人が代わるとまた全然違った話のように感じられました。私自身はこんなにまっすぐ純粋に思っているのに、他の人物から見るととても冷淡に感じたり。そういうところも面白かったです。ちなみに、話はただただ絶望的で残酷なものではないです。天気が悪い日に雲の切れ間からこぼれる光が美しいように、明るい救いがある話です。
ありがとう寄稿。
”世界のキタノ”で知られる北野武さんが執筆した作品です。今までの道徳観を無視してキタノ流の道徳観を示しています。
感想・書評「新しい道徳:北野武」ネタバレ注意・皮肉交じりにも道徳教育の矛盾や間違いを指摘しています(レビュー)。 #読書 - ナカノちゃんねる