イノシシ・シカ対策のための鳥獣報奨金を不正受給する人が増えている?
全国的に、イノシシやシカによる被害が拡大しています。
少し前までは、田舎で農作物が食べられてしまうなどといった被害ばかりでしたが、最近では郊外の住宅地などでも被害が拡大しているようで、ケガ人も出ていて状況は深刻です。
これらの被害を減らすためには、捕獲して駆除しなければいけませんが、狩猟免許を持ったハンターが高齢化していて、駆除が追い付いていないというのが実情。頭数が増えれば、生まれる仔の数も増えますので、被害は拡大する一方。自治体では、捕獲に対して報奨金を支払うことにより、積極的に駆除を進めようとしています。
ところが、この報奨金を不正に受給する事件が発生しています
報奨金を受給するためには、捕獲したイノシシやシカの写真を提出するのですが、この写真を偽造(パソコンで合成)して、1頭しか捕獲していないのに、何枚も写真をつくって提出しているようです。なにしろ、捕獲頭数が増えているので、自治体でもチェックが甘くなっているという問題もあるようです。
そこで、自治体は写真提出以外にも捕獲した個体の耳や尻尾を切り取って提出させるなど、不正を働きづらくしたところ、今度は証拠の提出が面倒だと言って、ハンターが捕獲するのを止めてしまっているケースもあるのだとか。
何しろ、報奨金の受給だけなら写真や耳や尻尾だけのことですが、そもそも法律上、ハンターは捕獲したイノシシやシカは穴を掘って埋設しなければならないなど、体力的にもきつい面倒な義務を負っています。このほかにも、猟銃を所有するための様々な手続きがあり、身近で事件が発生すると警察から疑わることも少なくないのです。
これらの事情を考えると、高齢化したハンターが引退を考えるのも、無理のないことなのかもしれません。
最近では、不正受給を難しくしつつハンターに負担感を与えないようにするため、印刷した写真ではなく、GPS機能を内蔵したカメラで撮影した画像ファイルを提出させる自治体もあるようです。
今後も、わたしたちの生活が脅かされないよう、ハンターさんたちには活躍してもらいたいものですね。