さすが東野圭吾、「真夏の方程式」見応えありました。
テレビドラマからの映画作品ですが、この作品はドラマを観ていなくても、入り込めます。ただ、ドラマを観ていたからわかるおもしろさも、もちろんあります。この映画では、子供嫌いの湯川先生が、何故か仕事先で宿泊した民宿に預けられていた小学生のために、その子の願いを叶えるため、ある実験を何度も成功するまで挑戦する姿がかなり新鮮です。
そこに、その子供にかかわる殺人事件が起こり、湯川先生も首を突っ込むことになるのですが、そうそう時の湯川先生は、警察の捜査協力というよりも、子供のことを考えて事件解決するのです。その優しさがにじみでるところが、この映画の良いところの一つです。
そして、もう一つは民宿を経営している家族の母親の過去の嘘が、夫を、娘を苦しめてしまうという恐ろしさ、それは隠そうとすることによって、罪が何重にも重なってしまうという現実に考えさせられます。見終わったあと、少し悲しい気持ちにもなりますが、ストーリー的には、真実が暴かれる過程が、実におもしろく、さすが東野圭吾の作品と感心させられます。