ゼリア新薬の新人研修でパワハラ自殺 吃音への無理解による殺人
ゼリア新薬の新人研修でパワハラ自殺がありました。
被害者は、過去のいじめ体験についてみんなの前で話をさせられたり、自らの吃音の症状を指摘されたりしたそうです。
企業のパワハラや過労による自殺は連日のようにニュースで流れてきますが、今回のケースは被害者が吃音の症状を持っていたということに特徴があります。
私も知り合いに吃音者がいますが、どもってしまうことを恐れてしまい、話すことが怖くなってしまうそうです。
この事件の被害者も恐らくそうだったんだと思います。
「大勢の前で話すことを強要させられる」ということがどれだけプレッシャーだったことか…。
過去の辛い体験について話すというのも、自らの意思で行うのと人から強要されるのではわけが違います。
普通の人でも辛いことなのに、これが話すことが怖い吃音者だったら…。
私は、これは吃音への無理解による殺人だと考えます。
この手の症状を持つ人に対して「克服」と称して話すことを強要させる人がいますが、本来ならせめてそれはちゃんとしたサポートがある上で行うこと。
吃音者に対して何のサポートも行わず、その人の気持ちも考えずこのようなことを行うのはまさにいじめそのものです。
今回のケースも恐らくそれと同じことだったのではないかと推測します。
そして驚いたのが、研修を行った側は全く反省していないということ。
死者が出ているにもかかわらず「自分たちに非はない」と言い張るのは傲慢以外の何物でもありません。
吃音は普通の人が想像するより遥かにデリケートな問題です。
今回のケースのような無理解で、当事者の気持ちに寄り添わない対応は断じてあってはならないと思います。
吃音に対する世の中の理解が、より深まって欲しいです。
パワハラを行った企業には適正な処分を求めます。
そして、被害者のご冥福をお祈りします。