小説感想
芥川賞受賞・又吉直樹(ピース)著「火花」 又吉さんのファンになって11年、又吉さんの著書は全部買ってきましたが、田舎すぎるせいか手に入れることができず悔しかったのが雑誌「文学界」。単行本になってようやく手にすることができ念願の「火花」を読む…
ドグラ・マグラ上巻 夢野久作 一大奇書 この本のキャッチコピーといいますか、広告宣伝が「これを読む者は一度は精神に異常をきたす」という、なんとも恐ろしげな書き方をしていて、はたして本当に読んでもいい本なのかとおそるおそる手に取りました。
「こころ」夏目漱石 中学生以来の漱石に感動 中学生の夏休みに読んで以来、数十年ぶりに読んでみました夏目漱石。 あのころは「文豪」というイメージしかなく、描かれている人物も自分よりはるかに年上で共感できるところが少なく経験として読み終えましたが…
模倣犯、素晴らしき宮部みゆきの怪作 模倣犯とは文庫にして全5巻にもなる宮部みゆきの長編ミステリーです。正直、この作者さんのお話は短編の方が好みでした。初期に出た短編集「返事はいらない」はボロボロになるまで読みましたし、この感想を書いている今…
読むと心が癒されていく梨木香歩著の「西の魔女が死んだ」 私がこの本を買ったのは10年ほど前のこと。それから今に至るまで、幾度となくふと読みたくなる瞬間というものがあり、もう何度読んだかわからないくらいである。少女と、その祖母との暮らしが主に描…
ひらいて(著者・綿矢りさ)は女子高生が主人公の恋愛小説で、感性豊かな文章と予想外な展開が見所です。 ひらいて(著者・綿矢りさ)を購入し、一ページ目を読んだ瞬間から一気に引き込まれました。綿矢りさといえば、芥川賞をとった蹴りたい背中が有名だと思い…
感想・書評「ラブケミストリー(喜多喜久)恋と化学と死神と」ネタバレ注意・舞台はとある大学の化学研究室。そこに所属する有機合成のルートを瞬時に見つけることができる天才大学院生、藤村(レビュー)。 #読書
ラブケミストリー 喜多喜久 恋と化学と死神と 数ページめくればそこは化学の研究室。 HPLC?TLC?何だそれと思わずに読んでみてください。 きっとあなたも化学合成の魅力に取りつかれます。舞台はとある大学の化学研究室。そこに所属する有機合成のルートを…
武士道シリーズ(シックスティーン・セブンティーン・エイティーン・ジェネレーション) 誉田哲也 この作品は、「剣道に邁進する」香織と「県道を楽しむ」早苗の好対照の二人が織り成す青春?スポーツ(剣道)小説である。 私自身県道には興味がなく、ただ女…
スウィッチ(アマンダ・ホッキング著)王道のラブファンタジーの刺激を求めて。 この著書「スウィッチ」は、映画化もされたあの有名な吸血鬼との恋物語「トワイライト」を連想させるような主人公と人間とは少し違う妖精の青年との恋愛が主軸に描かれていて、…
容疑者Xの献身 東野圭吾 これ以上のどんでん返しはない! ミステリー作家として不動の地位を確立している東野圭吾さん。 東野作品はたくさんあってどれも捨てがたく、さらに映画化もしているので多くの人が知っている作品ではありますがやはり一番のお勧めは…
赤い指 東野圭吾 ばらばらな家族に向けたメッセージ ある街の公園で見つかった無残な女児の遺体。 この事件に挑むのが刑事、加賀恭一郎です。冒頭は犯人家族の父親の視点で描かれており、読者には最初から少女を殺した犯人が誰か、どこでどのように殺された…
『菜根譚』(今井宇三郎・訳注)は人生の指南書 人間は生きている限り、色々な事で悩み苦しみます。 特に、人間関係や仕事関係、どのように人生を生きるかに関しては、どのような人も一度は悩んだことがあるでしょう。 こんな時に、1つの視座を与えてくれる…
神様のカルテ 夏川草介 心地よい物語です。 あなたは「生きる」ということはどんな状態だと思いますか。 最近の医療は死期が迫っている患者に人工呼吸器を施します。多数のチューブに繋がれながら生きる事ができます。 しかし、それは本当に「生きる」ことな…
猫色ケミストリー 喜多喜久 男子大学院生とリケジョと猫の三角関係 舞台は赤門のある大学。 計算科学を専攻する人付き合いが下手な主人公の男子大学院生明斗とその同級生で有機化学系の研究室に所属するリケジョ、スバル。 そして大学構内をうろつくのら猫が…
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 珈琲店タレーランの事件簿 岡崎琢磨 きっとあなたもコーヒーが飲みたくなる 京都にある純喫茶タレーランを舞台に、日常に次々と起きる不可解な出来事をバリスタがミルを挽きながら解決していくというミステリー小説です…
耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件 風野真知雄 江戸時代、実在をした根岸肥前守が登場をする人気シリーズです。 このシリーズはたくさんの作品があるのですが、この湯島金魚殺人事件は金魚釣り、というキーワードが重要です。 金魚釣りというと、金魚すくいのような…
しゃばけ(畠中恵)しょっちゅう寝込んでばかりの若旦那、どうやって殺人事件を解決するの? 舞台はお江戸、それも江戸有数の薬種問屋の一粒種である若旦那は、とっても体が弱い。 顔良し、頭良し、お金もあるし、将来は大店の旦那様。なのに、小さいころか…
夢をかなえるゾウ 水野敬也著 心が沈んだらこれがおすすめ!悩みが吹っ飛ぶ面白さです。 「夢をかなえるゾウ」は、心が沈んだ時に、悩んでいる時におすすめの本です。どうしてこんな事で悩んでいたんだろうと読み終わった後にはすっきりするはずです。
化学探偵Mr.キュリー(喜多 喜久 著) 難しいはずの化学知識が簡単に理解できちゃいました。 ちょっと変わった准教授沖野晴彦(通称Mr.キュリー)が不可解な事件を化学の視点で解決していくミステリー作品です。 大学の事務員として就職した主人公の舞衣は調…
図南の翼 十二国記(小野 不由美 著) 王とはなにか?を考えさせる作品 小野不由美による十二国記シリーズです。 27年間王のいない恭国に住む豪商の娘珠晶は、12歳ながら荒れていく国を一向に救わない役人や天に対し、また、自分たちを守ることしか考え…
「すべてがFになる」 著者:森博嗣 「すべてがFになる」は最近ドラマ化され、この秋アニメ化もされますが、私は是非原作を読んでいただきたいと思っています。 この物語は天才的な頭脳を持ちつつ、やや不安定な女子大学生「西之園萌絵」と大学助教授「犀川…
実体験でつづられる怪異の世界は、多くの視点をもたらしてくれる「怪談新耳袋」 単行本から文庫化され、現在は角川文庫から出版されている「怪談新耳袋」シリーズ。 筆者の方が実際に取材した様々な怪談は決して怖いというだけではない様々な側面を読者に魅…
鈴木おさむさん作 「美幸」 について 私はこの間本屋で本を眺めていた時に、鈴木おさむさんの書いた「美幸」という小説に目が止まりました。この小説は以前鈴木おさむさんが演出した舞台を小説化したものです。その舞台には私の好きな役者さんが出演していた…
リアルワールド(桐野夏生)女子高生のリアル 桐野夏生(きりのなつお)さんの作品が好きなので、今まで購入していなかったこちらの作品を買ってみました。 こちらは母親を殺した少年を中心に、四人の女子高生が翻弄されていくストーリーですが、とにかく女…
レインツリーの国(有川浩)を読んで 私はレインツリーの国という本を読みました。有川浩さんといえば図書館戦争やフリーター家を買うなどで有名な著者ですので、とても楽しみに読みました。あらすじは簡単にいうと関西から上京してきた男性と耳の聞こえない…
シモーナ・スパラコの「誰も知らない私たちのこと」 若いイタリア人夫婦の妊娠にまつわる苦悩を描いた小説です。 待ち望んだ妊娠だったものの、出生前診断により胎児異常が見つかって医師にある決断を迫られます。主人公の赤ちゃんを思う気持ち、その夫の妻…
宮木あや子 花宵道中 悲しい花魁たちのお話 宮木あや子さんの大ファンです。まず、この花宵道中からハマりました。最近、安達祐美さん主演で映画化もされましたね。まだ未見ですが。この小説が映画化されたのも納得です。 吉原の花魁たちの人生。
とある魔術の禁書目録の本を読んでみて 鎌池和馬 とある魔術の禁止目録とはしっているだろうか?(以下とある)このとあるとは一つのライトノベルの黄金期を支えたといっても過言でもないほどの作品である。話のあらかたな物語は、近代化日本をイメージした…
俺の妹がこんなにかわいいわけがない、伏見つかさ 最近ブームにもなっているライトノベル小説俺の妹はこんなにかわいいわけがないという本をしっているだろうか。新人でありながら100万部以上売り上げるこの小説はどのような小説なのかをここにかきたい。…
角田光代著書、宮沢りえ主演映画”紙の月” 11月15日から宮沢りえ主演で映画公開されている小説です。 主人公は梨花という裕福な家庭に育ち、元々は正義感の強い女性。 その主人公が銀行で何億ものお金を押領し海外へ逃亡している場面と梨花と関わりのあっ…